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2012

0725
白い兎と黒い兎

二匹はいつも一緒

今日も二匹の元に一冊の絵本
題名は「カゾクイロ」
ある小さな家に一匹のおばあさん兎が住んでいました
おばあさん兎は4匹の子兎と一緒に住んでいました
みんなお母さんもお父さんもいません
早くに両親を亡くしたり、家を飛び出したり
一匹で暮らしていたけれど、さみしくなったり
なぜか理由が分からないままの兎も
皆まだ小さいのに、理由があっておばあちゃん兎の家に住んでいます

「おばあちゃん、おばあちゃん。」
なきべそをかいてやってきたのは白兎のチャムです
おばあさん兎は聞きました
「どうしたい、チャム?そんなに目を真っ赤にして」
チャムはその涙をごしごし拭いながら答えます
「今日とっても大事に皆で育ててきた花が枯れちゃったんだ。
僕とってもその花が大好きで、その花もう見られないって思ったら悲しくて」
手には枯れた花が植えられた鉢が一つ
おばあちゃんは頭を撫でると

「うんうん、なんていい子なんだ、お前は。
わたしはあんたが教えてくれなかったらきっと、花は咲いたら枯れるもの。
ものには全て終わりがある、それが当然。
そう思っていただろうて。お前の優しい気持ちがわたしに命の大事さを教えてくれた」
おばあちゃんはそう言うと花の根をもう一度土の中に植えるように言い
チャムはその通りに庭に植えてあげました

「おい、おばあ、おーい、どこにいんだよ」
いらいらしながらやってきたのは黒兎のガル
おばあさんは聞きました
「どうしたい、ガル?そんなに目くじらたてて」
ガルは握った拳をぐっと握り締めて答えます

「俺が乱暴だから、おばあの家からでてけって言われたんだ。
一緒に住んでるあいつらに言われるならまだしも、違う家の奴にだぜ?
むかついたからケンカしてたら、そいつらの親がでてきてさ
お前はあの家の子供でもないくせに、って。」

震える肩を軽く抱くと
「うんうん、なんていい子なんだ、お前は。
わたしはあんたが教えてくれなかったらきっと、親は血が繋がってるもの。
家族にはかならず証拠が必要、それが当然。そう思っていただろうて。
お前の強い気持ちがわたしに家族の形を教えてくれた。」
おばあちゃんはそう言うと、外にこれを吊るしておいで、とドングリを五つ渡しました
ガルはその通りに玄関に飾り付けました

「はぁ。おばあちゃん。おばあちゃん」
消えそうな小さな声はブチ兎のオロ
おばあちゃんは聞きました
「どうしたい、オロ?そんな下ばっか向いて」
オロはその場にしゃがりこんで答えます

「もうよく分からないの。周りの兎は色々できるのにさ。
わたしは何をやってもうまく行かない。もうやだよ。」
おばあちゃんはオロを立ち上がらせて抱きしめると
「うんうん、なんていい子なんだ、お前は。
わたしはお前がそれを教えてくれなかったらきっと、自分が出来るのを当たり前。
誰かと比べることなんて必要ない、出来るんだから当然。そう思っていただろうて。
お前のまっすぐな気持ちがわたしに自分を知ることを教えてくれた」
おばあちゃんはそう言うと、これを皆に渡しておくれと、羽根の髪飾りを手渡しました
オロはその通りにガルとチャムに羽根を渡しました

「ふふふーふふ。るんるん」
鼻歌混じりでのん気なのは一番小さな兎のアム
おばあちゃんは聞きました
「どうしたい、アム?そんなニコニコしちゃって」
アムは軽く首をかしげて答えます

「んー?僕はいつも一緒だよ?
今日もお空が綺麗だったなーって」
そのままアムは鼻歌を歌いながら部屋に戻っていきました

おばあちゃんは首をかしげながら
「あの子はいっつも幸せそう。
どんな小さなことにも幸せを感じれて
教えることなんかより教えてもらうことのが多いみたい。
あの子の不思議な気持ちでわたしは今更だけど育ててもらってる気分だわ。」
おばあちゃんはそう言うと、オロに髪飾りを渡してあげてと言い
オロは言うとおり、アムに髪飾りを手渡しました


その晩、テーブルを囲んで四匹と食事
チャムはちっちゃく食べ物を切って小さなお口へ
ガルは一口でぺロッと食べておかわりを
オロは周りを見ながら食べるものを選んで
アムはのんびりマイペースにもぐもぐ
んな四匹に囲まれた食事がおばあちゃんにはとっても幸せでした

そして夜も老けた頃
アムが皆を呼び出しました
おばあちゃんを含め四匹が集まると
「皆集まったね、よーし」
そう言ったとたんアムの体がピカピカと光りだしました
四匹は大慌て
おばあちゃんも目を丸くしていると
アムの背中に大きな羽根が生えたのです
アムは言いました
「チャムもガルもオロも皆、とってもいい子。
でも誰にも教えてもらうことができなくて、いいところだって。

おばあちゃんも昔同じように、たくさん苦労してたよね。
僕が来る頃はまだ自分のことで精一杯で。

でも、今は違う。
おばあちゃんも教えてあげて、そんで教えてもらって。

僕の役目ももうおしまい。
最後に皆にプレゼント。いーくーよー」

アムがえい、っと羽根を震わすと
外の庭にチャムの好きだった花が満開
外のどんぐりは金の鐘になって、チリチリリン
羽根飾りが皆の左耳でキラキラ光ると
そこだけブチに羽根の模様に毛色が変わりました

「これで皆家族だよー」

アムはにっこり微笑むと玄関を開けました
おばあちゃんは近寄って、ありがとうと手を振りました


次の日になり
アムのいないテーブルでガルは言いました

「アムの奴、もう帰ってこないのかな?」
おばあちゃんはにっこり笑って一言

「んーん、帰ってくるわよ、家族だもの。
だって、あの子の左耳。飛び立つ時、私たちと同じ、羽根の模様になってたもの。」

ぱたん

二匹は本を閉じるとお互いの顔を見合いました
「家族かー。君はどんな家族がいい?」
白い兎は言いました
「わたしは、なんでも好きな事をさせてあげたいなー。」
黒い兎は思いました
今まで二匹の間でやっちゃいけないこと、あまり無かったけれど
子供や家族が出来たらきっとそうもいかなくなるんだろうな、って
独り占めできる期間が終わったらきっと変ってしまうのかな、って

白い兎の手をつかむと、黒い兎は言いました
「ねぇ。ちょっとお散歩しよ」

玄関を出て色んなところへ二匹はお散歩しました
思い出の場所やお気に入りの場所
出逢ったところに良く行くお買い物のお店
いっぱい回っておうちに帰ってくると
二匹はもうへとへと
白い兎は聞きました

「どうしたの?突然」

黒い兎はいいました
「僕の好きなことを全部しちゃおうって」
白い兎は、どう言う事?と尋ねると
「家族ができてからしたくならないように、我慢する為にね、今全部しちゃおうと思って」
白い兎はなるほど、と大笑い
そのうちまたしたくなるのにね、と心の中で笑うのでした

白い兎と黒い兎

二匹はいつも一緒







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