2012
白い兎と黒い兎。
二匹はいつも一緒。
二匹の元に今日も一冊の絵本。
題名は「ツキノアサ、タイヨウノヨル」
お空にある太陽と月。
ある日太陽は言いました。
「お前はいいな。
いっつも静かな夜だから
俺は煩いのが大嫌いなんだ」
すると月は言いました。
「ならば交換するかい?」
そうして二人は話し合い
月が満ちるその日だけ
太陽と交換する事に。
そして、ある日の夜
月はまんまる。
待ちに待った交換の日。
太陽は言いました。
「やっと、この日になった。
明日から俺が夜、お前は朝」
月は軽く会釈をして
「うん。そうなんだけど。
本当に大丈夫なの?夜はね…」
会話を遮り、
太陽はその場を去って行きました。
そして、朝になりました。
月とは知る由も無い村の兎たち。
元気にかけっこしたり、
洗濯物を干したり。
普段は酔っ払ってばかりの
おじさん兎は
元気にお仕事に励んでます。
初めてみる世界にとても満足。
その反面、太陽の事が
とても心配になりました。
そんな事を考えているうちに
夕方になり、太陽が現れました。
太陽は言いました。
「どうだ?煩くてかなわんだろ?」
月は言いました。
「そんな事はないよ。ねえ、本当に夜を過ごすの?」
太陽はムッとして
「なんだ?俺に出来ないと思ってるのか?
さては、お前は楽してるから、
それを俺には教えたくないから。
残念だったな、これでばれちまう」
月が何かを言おうとするのを
太陽は聞かないで
そうして太陽の夜が始まりました。
とても静かな夜。
太陽は鼻歌混じりで
村の様子を眺めていました。
煩い子供達はすやすやと。
洗濯物は一つもなくて
キンコンキンコン言ってた
仕事の金槌の音もしない。
お酒で楽しむおじさん兎も
やがて真っ赤なお顔で
こっくり、くーくー。
何時間経ったでしょう。
段々太陽は物足りなさを感じ
同時になんだか怖くなりました。
誰も話しかけてこない。
何も聞こえてこない。
時折風が当たると冷たくて、
なんだか1人きりになったみたい。
震える体。
でも、この位寒くて助かった。
本当の震えに気づかないで済みます。
不愉快も不自由も確かになくて。
でも、その逆もないのです。
何時間したでしょう。
怖くて震えて、涙でかぴかぴの
太陽の元に月がやってきました。
月は言いました。
「どうだった?」
太陽はくしゃくしゃの顔で
「もうまっぴらごめんだ」
誰より弱虫だと思っていた月は
何より強く、孤独を知ってました。
目を閉じていても、開いてみても
広がるのは真っ黒な世界。
それをただじっと見てるのです。
それからと言うもの
月が満ちる夜になるとたまに
太陽がそのそばに現れて
やがて、月と太陽が重なり
不思議な光景が村に広まりました。
ぱたん。
お話を読み終えて
黒い兎は言いました。
「太陽は本当に臆病モノ?」
白い兎は首を傾げて
どうかな?ってしぐさ
ふと黒い兎の頭の中で
ある思い出が重なりました。
まだ白い兎と出会う前の事。
友達の兎たちとかくれんぼ。
楽しく皆でかくれんぼしてた。
時間が経って、見つからないまま、
みんな居なくて、暗くなっちゃった。
かくれんぼしてた、ずっと待ってた。
その時の静かさを。
そして、夜になりました。
白い兎はいつも通り夕食の準備中。
そこへ黒い兎が
様子を見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
また見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
落ち着きの無い黒い兎。
白い兎はよほどお腹が空いてたんだな
そう、思って急いでご飯を作りました
部屋に戻ると黒い兎の前に
夕食を並べてあげました。
大好物のニンジンのサラダ
大根の葉っぱのスープ
じゃがいもの柊の葉っぱ包み焼き
けれど黒い兎は。
白い兎に話しかけて
なかなか料理に手をつけないのです。
昨日の天気の話
その前の遊びに行った話
近くの叔母さん兎の話
今度の森の劇の話
いつまで経っても減らない料理。
白い兎はついに怒ってしまい
「ご飯食べないなら下げるよ!」
黒い兎は首を横に振って否定しました。
よく見るとその細い腕がぶるぶる震えていて。
白い兎は気づきました。
きっと悲しくなってしまったんだと。
あの太陽の様に夜が怖くなって。
「怖くないから、耳をすませてみて?
」
黒い兎は嫌だ嫌だと
ブルブル震えながら言いました。
白い兎は黒い兎の後ろから
その体を抱きしめて、
口元に手を添えました。
「大丈夫だから。よく耳をすませてみて。」
黒い兎がじっとして、その長く垂れた耳を済ませて見ると。
じゃーじゃー
流れる川の音
ざわざわ、ざわざわ
風が葉を揺らす音
トントントン
どこかのお家で料理を作る音
沢山の音が静かに
でも重なって
そう歌の様に賑やかに
語りかける様なオーケストラ
「あなたには、それにほら?」
ドクンドクン
ドクンドクン
背中に伝う、何より生きた
白い兎の心臓の音
どんな不安も
どんな悲しみも
その音がかき消してくれる
そんな白い兎の生きている音
なんだか自分のさっきと
過去にバカバカしくなる様な
黒い兎は安堵のあまり
そんな気分になりました。
その後大急ぎでご飯を食べて
ごちそうさまをして
またいつもの黒い兎に元通り。
白い兎はそれをただクスクス笑ってました。
二匹はいつも一緒
泣き虫な二匹は
月で太陽。
p.s
その夜黒い兎は外へ出て
空を見上げたら絵本の様な
満月に、太陽が重なって
それを見て黒い兎は
「聞こえる?太陽の心臓の音
もし、1人で寂しくなったら
僕がお話ししに行くよ」
二匹はいつも一緒。
二匹の元に今日も一冊の絵本。
題名は「ツキノアサ、タイヨウノヨル」
お空にある太陽と月。
ある日太陽は言いました。
「お前はいいな。
いっつも静かな夜だから
俺は煩いのが大嫌いなんだ」
すると月は言いました。
「ならば交換するかい?」
そうして二人は話し合い
月が満ちるその日だけ
太陽と交換する事に。
そして、ある日の夜
月はまんまる。
待ちに待った交換の日。
太陽は言いました。
「やっと、この日になった。
明日から俺が夜、お前は朝」
月は軽く会釈をして
「うん。そうなんだけど。
本当に大丈夫なの?夜はね…」
会話を遮り、
太陽はその場を去って行きました。
そして、朝になりました。
月とは知る由も無い村の兎たち。
元気にかけっこしたり、
洗濯物を干したり。
普段は酔っ払ってばかりの
おじさん兎は
元気にお仕事に励んでます。
初めてみる世界にとても満足。
その反面、太陽の事が
とても心配になりました。
そんな事を考えているうちに
夕方になり、太陽が現れました。
太陽は言いました。
「どうだ?煩くてかなわんだろ?」
月は言いました。
「そんな事はないよ。ねえ、本当に夜を過ごすの?」
太陽はムッとして
「なんだ?俺に出来ないと思ってるのか?
さては、お前は楽してるから、
それを俺には教えたくないから。
残念だったな、これでばれちまう」
月が何かを言おうとするのを
太陽は聞かないで
そうして太陽の夜が始まりました。
とても静かな夜。
太陽は鼻歌混じりで
村の様子を眺めていました。
煩い子供達はすやすやと。
洗濯物は一つもなくて
キンコンキンコン言ってた
仕事の金槌の音もしない。
お酒で楽しむおじさん兎も
やがて真っ赤なお顔で
こっくり、くーくー。
何時間経ったでしょう。
段々太陽は物足りなさを感じ
同時になんだか怖くなりました。
誰も話しかけてこない。
何も聞こえてこない。
時折風が当たると冷たくて、
なんだか1人きりになったみたい。
震える体。
でも、この位寒くて助かった。
本当の震えに気づかないで済みます。
不愉快も不自由も確かになくて。
でも、その逆もないのです。
何時間したでしょう。
怖くて震えて、涙でかぴかぴの
太陽の元に月がやってきました。
月は言いました。
「どうだった?」
太陽はくしゃくしゃの顔で
「もうまっぴらごめんだ」
誰より弱虫だと思っていた月は
何より強く、孤独を知ってました。
目を閉じていても、開いてみても
広がるのは真っ黒な世界。
それをただじっと見てるのです。
それからと言うもの
月が満ちる夜になるとたまに
太陽がそのそばに現れて
やがて、月と太陽が重なり
不思議な光景が村に広まりました。
ぱたん。
お話を読み終えて
黒い兎は言いました。
「太陽は本当に臆病モノ?」
白い兎は首を傾げて
どうかな?ってしぐさ
ふと黒い兎の頭の中で
ある思い出が重なりました。
まだ白い兎と出会う前の事。
友達の兎たちとかくれんぼ。
楽しく皆でかくれんぼしてた。
時間が経って、見つからないまま、
みんな居なくて、暗くなっちゃった。
かくれんぼしてた、ずっと待ってた。
その時の静かさを。
そして、夜になりました。
白い兎はいつも通り夕食の準備中。
そこへ黒い兎が
様子を見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
また見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
落ち着きの無い黒い兎。
白い兎はよほどお腹が空いてたんだな
そう、思って急いでご飯を作りました
部屋に戻ると黒い兎の前に
夕食を並べてあげました。
大好物のニンジンのサラダ
大根の葉っぱのスープ
じゃがいもの柊の葉っぱ包み焼き
けれど黒い兎は。
白い兎に話しかけて
なかなか料理に手をつけないのです。
昨日の天気の話
その前の遊びに行った話
近くの叔母さん兎の話
今度の森の劇の話
いつまで経っても減らない料理。
白い兎はついに怒ってしまい
「ご飯食べないなら下げるよ!」
黒い兎は首を横に振って否定しました。
よく見るとその細い腕がぶるぶる震えていて。
白い兎は気づきました。
きっと悲しくなってしまったんだと。
あの太陽の様に夜が怖くなって。
「怖くないから、耳をすませてみて?
」
黒い兎は嫌だ嫌だと
ブルブル震えながら言いました。
白い兎は黒い兎の後ろから
その体を抱きしめて、
口元に手を添えました。
「大丈夫だから。よく耳をすませてみて。」
黒い兎がじっとして、その長く垂れた耳を済ませて見ると。
じゃーじゃー
流れる川の音
ざわざわ、ざわざわ
風が葉を揺らす音
トントントン
どこかのお家で料理を作る音
沢山の音が静かに
でも重なって
そう歌の様に賑やかに
語りかける様なオーケストラ
「あなたには、それにほら?」
ドクンドクン
ドクンドクン
背中に伝う、何より生きた
白い兎の心臓の音
どんな不安も
どんな悲しみも
その音がかき消してくれる
そんな白い兎の生きている音
なんだか自分のさっきと
過去にバカバカしくなる様な
黒い兎は安堵のあまり
そんな気分になりました。
その後大急ぎでご飯を食べて
ごちそうさまをして
またいつもの黒い兎に元通り。
白い兎はそれをただクスクス笑ってました。
二匹はいつも一緒
泣き虫な二匹は
月で太陽。
p.s
その夜黒い兎は外へ出て
空を見上げたら絵本の様な
満月に、太陽が重なって
それを見て黒い兎は
「聞こえる?太陽の心臓の音
もし、1人で寂しくなったら
僕がお話ししに行くよ」
PR
Post your Comment