2012
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
今日も二匹の元に一冊の絵本
題名は「カミサマノイウトオリ」
あるところにチャムという一匹の兎がいました
彼は小さい頃から神様の存在を信じていて
お告げと言っては周りの兎にも迷惑をかけていました
兎達は言います
「神様なんていないよ」
チャムはしかめ面で答えます
「そんな事言っていると天から罰が下るんだ。お前らきっと酷いことがおきるぞ」
そう言っておしまいなら良いのですが
チャムはその後必ず、神様を馬鹿にした兎にいたずらを仕掛けるのです
石を窓にぶつけたり、怪我をさせたり、大事にしているものを奪ったり
それはもう困ったものでした
一度は見つかって怒られたことはあったのですが
「これは神様のお告げなんだ、僕は神様に言われたとおりにしただけ」
と、周りが飽きれるまで言い続けました
兎達は困り果てて、どうにかならないか話し合い、一つの作戦をたてました
次の日の朝、一枚のはがきがチャムのポストに入っていました
中を開いてみるとこう書かれていました
「南の村に続く道で、あなたを待っています。途中で私の使いがいます。彼らの言う事を聞いてください」
読み終えてびっくり仰天、嬉しくて天井に頭をぶつける位高くジャンプしました
すぐに荷物をバッグに詰め込むと、一番のお気に入りの白いローブを羽織って外に飛び出しました
南に行く道をテクテクと歩いていると一匹の兎に出会いました
その兎もチャムと同じように白いローブを羽織っていたので、もしかしたらと思い声をかけました
「もしかしたら、神様の使いですか?」
きらきらと目を輝かせたチャムに、使いと名乗る兎はただ静かに頷くと一枚の紙を渡しました
紙には「ローブは捨てていきなさい」とだけ書かれていました
きっとこのままじゃ使いと間違えてしまうからだろう、そう思って喜んで脱ぐと使いに渡しました
さらに歩いていくと、今度は黒いローブを羽織った兎に出逢いました
これも、使いなのだろうと思ったチャムはぺこりと頭を下げて挨拶をしました
すると、二匹目の使いもまた、チャムに一枚の紙を渡しました
そこには「そこにある水をかぶりなさい」と書かれていました
見るとバケツに沢山の水が入っています
神様に会う前の清めの水だと信じてバケツを掴むと頭の上から水をかぶりました
大量の水に濡れたまま、使いに感謝をするとチャムは先を急ぎました
段々と村から離れて、風も冷たくなってくるとチャムはぶるぶると震えが止まらなくなってきました
さっきの水で冷えてしまったのです
行けども行けども神様は見当たらず、とうとう村が見えなくなり、気が付くと外は真っ暗になってしまいました
帰り道も分からなくなって、兎はその場にうずくまると、必死で自分の体を温めながら神様に祈りました
「神様、どこにいらっしゃるんですか?私はここにいます!」
もちろん返事はありません
なにせ、受け取ったはがきも、使いのものも全部村の兎たちの嘘なのだから
神様を信じ過ぎて、その神様を疑わなかったチャムはまんまと騙されてしまったのです
チャムはがんがんと響く頭の痛みと震えにタ耐えながらちょっとだけ、神様の悪口を言いました
「全部あなたの為に、僕が毎日祈ってきた日々も、近づく為に我慢した自由も全部ご存知のはずなのに」
地面の土を握り締めて、悔しそうに涙を零しました
薄れてく意識の中でどこからともなく声が聞こえてきました
「私はいつでもあなたを見ています、だからこうなったのです」
ああ、なるほど
村の兎の仕返しと気付いた時には、もう遅く
自分の行いが返って来たのだと気付いたチャムの最後の言葉は
「カミサマノイウトオリ」
ぱたん
白い兎は首をかしげて黒い兎に聞きました
「神様って、こんなに意地の悪いものなのかな?」
助けてあげればいいのに、仲直りさせる事だってできたのに
白い兎はそう思ったのです
黒い兎は答えます
「僕はこれで良かったんだと思うよ」
黒い兎が言うには
神様がもし助けてしまったら
他にも困った兎を助けなくちゃいけなくなる
そんなことになったら皆甘えん坊になってしまって
困るまで誰も努力しなくなっちゃう、ということでした
誰より甘えん坊だと思っていた黒い兎が、意外にそんなことを考えていたんだと
白い兎は少しびっくりしました
「神様、みていますか?僕は、この先どんな事があっても、自分で決めた白い兎と幸せになるからね☆ 神様は安心して見てていいんだからね!」
ぎゅっと白い兎の手を握りしめて、黒い兎は空に向かって誓いました
顔を赤くした白い兎はもじもじしながら
「プロポーズのつもり?」
と聞くと
黒い兎は熱くなって言った自分にはっと気付いて
照れながらこくんと頷きました
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
二匹はいつも一緒
今日も二匹の元に一冊の絵本
題名は「カミサマノイウトオリ」
あるところにチャムという一匹の兎がいました
彼は小さい頃から神様の存在を信じていて
お告げと言っては周りの兎にも迷惑をかけていました
兎達は言います
「神様なんていないよ」
チャムはしかめ面で答えます
「そんな事言っていると天から罰が下るんだ。お前らきっと酷いことがおきるぞ」
そう言っておしまいなら良いのですが
チャムはその後必ず、神様を馬鹿にした兎にいたずらを仕掛けるのです
石を窓にぶつけたり、怪我をさせたり、大事にしているものを奪ったり
それはもう困ったものでした
一度は見つかって怒られたことはあったのですが
「これは神様のお告げなんだ、僕は神様に言われたとおりにしただけ」
と、周りが飽きれるまで言い続けました
兎達は困り果てて、どうにかならないか話し合い、一つの作戦をたてました
次の日の朝、一枚のはがきがチャムのポストに入っていました
中を開いてみるとこう書かれていました
「南の村に続く道で、あなたを待っています。途中で私の使いがいます。彼らの言う事を聞いてください」
読み終えてびっくり仰天、嬉しくて天井に頭をぶつける位高くジャンプしました
すぐに荷物をバッグに詰め込むと、一番のお気に入りの白いローブを羽織って外に飛び出しました
南に行く道をテクテクと歩いていると一匹の兎に出会いました
その兎もチャムと同じように白いローブを羽織っていたので、もしかしたらと思い声をかけました
「もしかしたら、神様の使いですか?」
きらきらと目を輝かせたチャムに、使いと名乗る兎はただ静かに頷くと一枚の紙を渡しました
紙には「ローブは捨てていきなさい」とだけ書かれていました
きっとこのままじゃ使いと間違えてしまうからだろう、そう思って喜んで脱ぐと使いに渡しました
さらに歩いていくと、今度は黒いローブを羽織った兎に出逢いました
これも、使いなのだろうと思ったチャムはぺこりと頭を下げて挨拶をしました
すると、二匹目の使いもまた、チャムに一枚の紙を渡しました
そこには「そこにある水をかぶりなさい」と書かれていました
見るとバケツに沢山の水が入っています
神様に会う前の清めの水だと信じてバケツを掴むと頭の上から水をかぶりました
大量の水に濡れたまま、使いに感謝をするとチャムは先を急ぎました
段々と村から離れて、風も冷たくなってくるとチャムはぶるぶると震えが止まらなくなってきました
さっきの水で冷えてしまったのです
行けども行けども神様は見当たらず、とうとう村が見えなくなり、気が付くと外は真っ暗になってしまいました
帰り道も分からなくなって、兎はその場にうずくまると、必死で自分の体を温めながら神様に祈りました
「神様、どこにいらっしゃるんですか?私はここにいます!」
もちろん返事はありません
なにせ、受け取ったはがきも、使いのものも全部村の兎たちの嘘なのだから
神様を信じ過ぎて、その神様を疑わなかったチャムはまんまと騙されてしまったのです
チャムはがんがんと響く頭の痛みと震えにタ耐えながらちょっとだけ、神様の悪口を言いました
「全部あなたの為に、僕が毎日祈ってきた日々も、近づく為に我慢した自由も全部ご存知のはずなのに」
地面の土を握り締めて、悔しそうに涙を零しました
薄れてく意識の中でどこからともなく声が聞こえてきました
「私はいつでもあなたを見ています、だからこうなったのです」
ああ、なるほど
村の兎の仕返しと気付いた時には、もう遅く
自分の行いが返って来たのだと気付いたチャムの最後の言葉は
「カミサマノイウトオリ」
ぱたん
白い兎は首をかしげて黒い兎に聞きました
「神様って、こんなに意地の悪いものなのかな?」
助けてあげればいいのに、仲直りさせる事だってできたのに
白い兎はそう思ったのです
黒い兎は答えます
「僕はこれで良かったんだと思うよ」
黒い兎が言うには
神様がもし助けてしまったら
他にも困った兎を助けなくちゃいけなくなる
そんなことになったら皆甘えん坊になってしまって
困るまで誰も努力しなくなっちゃう、ということでした
誰より甘えん坊だと思っていた黒い兎が、意外にそんなことを考えていたんだと
白い兎は少しびっくりしました
「神様、みていますか?僕は、この先どんな事があっても、自分で決めた白い兎と幸せになるからね☆ 神様は安心して見てていいんだからね!」
ぎゅっと白い兎の手を握りしめて、黒い兎は空に向かって誓いました
顔を赤くした白い兎はもじもじしながら
「プロポーズのつもり?」
と聞くと
黒い兎は熱くなって言った自分にはっと気付いて
照れながらこくんと頷きました
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
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