2012
白い兎と黒い兎。
二匹はいつも一緒。
今日も一冊の絵本が届きました。
題名は「カガミガワリ」
お話は一匹の白い兎から。
兎は寂しい事や苦しい事が大嫌い
いつも都合が悪くなると
人に押し付けて逃げてしまうのです
自分でもそれはよくないと
そう、分かっていても
自分が傷つく事が嫌なのです
そんな彼の元に
一枚の鏡が届きました
手紙が添えてあり
「わたし、あなた。あなた、わたし」とだけ書いてありました。
鏡を覗くと
そこには黒い兎の自分
その瞬間吸い込まれるようにパタン
彼が起きたのは数時間後でした
周りを見ると夕食の準備が
それに部屋の掃除がしてあって
それが鏡の力だと知ったのです
それからと言うもの
都合が悪くなると鏡の力を借りて
彼は現実から鏡の中へ
その度に黒い兎が謝ってくれて
目が覚めると事は済んでいました
彼は苦しい事には関わらず
ストレスのない生活
自由気まま、やりたい放題
そんなある日、ふと気づくと
お尻の辺りに黒い斑点がポツン
お風呂でこすっても取れないので
どうやら汚れでもない
でも、痛いとかじゃないので
気にしないでいました。
また次の日も
その次の日も
鏡を覗くたびに大きくなる斑点
最後に気付いた時には
白くふわふわの毛は既に
黒い斑点に変わってしまいました
ただ不思議な事に
鏡の中の兎は黒いまま。
どうやら変わったのは自分だけ?
そこで彼は目隠しをして
鏡に向けて、聞きました
「おい!どう言う事だ。
こんなん望んじゃいない。」
まさかと思ったらやっぱり
鏡の中から声が聞こえる。
「困ったな、嫌なのかい?
また逃げるかい?」
彼はやられた事に今更気づき
涙ながらにお願いしました
「ああ、見逃してくれ
こんなはずじゃなかったんだ
分からないまま使ってたんだ」
すると、冷たい口調で一言
「あなた1人許すため
逃がしてくれるはずが無いでしょ。」
うさぎの目隠しがするっ
そこに映ったのは
泥にまみれた真っ黒な兎で
手で払い落とすと白い体に
自分にすら許されなかった彼の
最後に見た夢の先の自分でした
白い兎は言いました。
「逃げれば逃げる程
追っかけられ追い詰められる。
当然、謝らないと。だよね。」
黒い兎は言いました。
「確かに、じゃあここで一つ。
この前大事にしてた赤い花瓶
割った事を隠してないで
謝らないといけないのは誰かなー?」
そう。昨日白い兎が壊した花瓶。
黒い兎は気付いていたけど
白い兎が隠していたので
黙っていたのです
白い兎はドキッ
でも、こう言いました
「そうね。
でも、この前倉庫に置いてあった
贈り物のりんごを食べられてたの
あれは誰かなー、っと。」
それが引き金になって
二人は言い争い
この前、椅子にいたずらしたのは?
じゃあ机のペンの色を変えたのは?
大事なメモにいたずら書きしたのは?
嫌いなキノコ料理を作ったのは?
起きた時に、毛布を奪ったのは?
寝てる時、ベットから落とそうとするのは?
朝から晩まで言い合って
二人はとても疲れてしまいました。
白い兎は言いました。
「謝らないとご飯作らないよ?」
黒い兎は言いました。
「そっちこそ謝らないと
明日からクルミ取りにいかないよ?」
なら、私は洗濯しないよ?
なら、僕は洗濯物干さないよ?
なら私は
なら僕は
また言い争い
そして白い兎はこう言いました
「もう黒い兎と一緒にいない!」
黒い兎も言いました。
「白い兎となんか一緒にいない!」
そう言うと白い兎は
家を飛び出しました
黒い兎は追いかけません
夢中で走り出した白い兎
頬が真っ赤
白いふわふわの毛は涙でべっとり
どこへ向うかなんて考えないで
右へ左へ
左へ右へ
だけどすぐヘトヘトに
気づくと空は夜の色
月に照らされたお雲さん
なんだか黒い兎に似ていて
涙がポロポロ、止まりません
今帰ったら許してくれるかな
ちゃんと謝れば間に合うかな
花瓶壊したの怒ってたのかな
私の事、嫌いになったのかな
でも
謝りにいかなくちゃ
白い兎はとぼとぼ
帰り道をぽてぽて
ちっちゃな足跡が
いつもより歩幅が狭い
振り向くと点線みたい
やがて、お家に着きました
電気の灯るおうちの中から
ガチャーーン!
思わずドアを開けて飛び込むと
黒い兎と割れたお皿達
困った顔で拾っている所でした
キッチンの上は野菜が転がったり
焦げた料理や、散らばったゴミ
何より酷いのは黒い兎の顔
野菜の葉っぱやソースでべとべと
思わず白い兎は笑ってしまいました
「あ、ごめん。謝ろうと思っ…」
言うより先に黒い兎は言いました
「ごめんね。さっきは。
僕、よく分かったよ。」
絵本。白い兎が黒い兎になった
一方的に悪いと決めつけたけど
白い兎にも良いところ
きっとあったと思う
鏡の兎だってきっと
白い兎を頼りたくなる時だってある
本当はちゃんと力を合わせたら
「ダメだよ」と「ごめん」
これで良かった
僕もおんなじだったんだ、って
思いのたけを話して
最後に黒い兎はこう言いました
「ごめんなさい。売り言葉に買い言葉でした。」
黒い兎
料理。こんなに大変なんだね
洗濯。干すには当然
洗わなくちゃいけないんだよね
嫌いな料理。食べれたら嬉しいよね
夜。そばに白い兎がいるって
幸せな事だもんね
白い兎
料理。美味しいって思う人
だから作ろうって思うんだよね
洗濯。洗った後はヘトヘトで
手伝ってくれなきゃ日がくれるよね
嫌いな料理。誰でもいきなりは嫌だよね
夜から朝まで一緒にいるんだもんね、わがままだったよね
二人は背中合わせに座って
「ごめんなさい。ありがとう」
とにっこり笑って仲直り
白い兎と黒い兎
二匹はやっぱり、いつも一緒。
その後、白い兎がすぐに
料理を作り直してご飯
お風呂を黒い兎が洗って
バスタイム
二匹で協力しあって
ありがとうと言い合って
夜寝るときはいつもより
ぎゅっとくっついて眠りました
毛布一枚でも余る位
でも、朝には白い兎が
いつもの様に独り占めしてました
こればっかりは直らないよね
黒い兎はクスクス笑いました
二匹はいつも一緒。
今日も一冊の絵本が届きました。
題名は「カガミガワリ」
お話は一匹の白い兎から。
兎は寂しい事や苦しい事が大嫌い
いつも都合が悪くなると
人に押し付けて逃げてしまうのです
自分でもそれはよくないと
そう、分かっていても
自分が傷つく事が嫌なのです
そんな彼の元に
一枚の鏡が届きました
手紙が添えてあり
「わたし、あなた。あなた、わたし」とだけ書いてありました。
鏡を覗くと
そこには黒い兎の自分
その瞬間吸い込まれるようにパタン
彼が起きたのは数時間後でした
周りを見ると夕食の準備が
それに部屋の掃除がしてあって
それが鏡の力だと知ったのです
それからと言うもの
都合が悪くなると鏡の力を借りて
彼は現実から鏡の中へ
その度に黒い兎が謝ってくれて
目が覚めると事は済んでいました
彼は苦しい事には関わらず
ストレスのない生活
自由気まま、やりたい放題
そんなある日、ふと気づくと
お尻の辺りに黒い斑点がポツン
お風呂でこすっても取れないので
どうやら汚れでもない
でも、痛いとかじゃないので
気にしないでいました。
また次の日も
その次の日も
鏡を覗くたびに大きくなる斑点
最後に気付いた時には
白くふわふわの毛は既に
黒い斑点に変わってしまいました
ただ不思議な事に
鏡の中の兎は黒いまま。
どうやら変わったのは自分だけ?
そこで彼は目隠しをして
鏡に向けて、聞きました
「おい!どう言う事だ。
こんなん望んじゃいない。」
まさかと思ったらやっぱり
鏡の中から声が聞こえる。
「困ったな、嫌なのかい?
また逃げるかい?」
彼はやられた事に今更気づき
涙ながらにお願いしました
「ああ、見逃してくれ
こんなはずじゃなかったんだ
分からないまま使ってたんだ」
すると、冷たい口調で一言
「あなた1人許すため
逃がしてくれるはずが無いでしょ。」
うさぎの目隠しがするっ
そこに映ったのは
泥にまみれた真っ黒な兎で
手で払い落とすと白い体に
自分にすら許されなかった彼の
最後に見た夢の先の自分でした
白い兎は言いました。
「逃げれば逃げる程
追っかけられ追い詰められる。
当然、謝らないと。だよね。」
黒い兎は言いました。
「確かに、じゃあここで一つ。
この前大事にしてた赤い花瓶
割った事を隠してないで
謝らないといけないのは誰かなー?」
そう。昨日白い兎が壊した花瓶。
黒い兎は気付いていたけど
白い兎が隠していたので
黙っていたのです
白い兎はドキッ
でも、こう言いました
「そうね。
でも、この前倉庫に置いてあった
贈り物のりんごを食べられてたの
あれは誰かなー、っと。」
それが引き金になって
二人は言い争い
この前、椅子にいたずらしたのは?
じゃあ机のペンの色を変えたのは?
大事なメモにいたずら書きしたのは?
嫌いなキノコ料理を作ったのは?
起きた時に、毛布を奪ったのは?
寝てる時、ベットから落とそうとするのは?
朝から晩まで言い合って
二人はとても疲れてしまいました。
白い兎は言いました。
「謝らないとご飯作らないよ?」
黒い兎は言いました。
「そっちこそ謝らないと
明日からクルミ取りにいかないよ?」
なら、私は洗濯しないよ?
なら、僕は洗濯物干さないよ?
なら私は
なら僕は
また言い争い
そして白い兎はこう言いました
「もう黒い兎と一緒にいない!」
黒い兎も言いました。
「白い兎となんか一緒にいない!」
そう言うと白い兎は
家を飛び出しました
黒い兎は追いかけません
夢中で走り出した白い兎
頬が真っ赤
白いふわふわの毛は涙でべっとり
どこへ向うかなんて考えないで
右へ左へ
左へ右へ
だけどすぐヘトヘトに
気づくと空は夜の色
月に照らされたお雲さん
なんだか黒い兎に似ていて
涙がポロポロ、止まりません
今帰ったら許してくれるかな
ちゃんと謝れば間に合うかな
花瓶壊したの怒ってたのかな
私の事、嫌いになったのかな
でも
謝りにいかなくちゃ
白い兎はとぼとぼ
帰り道をぽてぽて
ちっちゃな足跡が
いつもより歩幅が狭い
振り向くと点線みたい
やがて、お家に着きました
電気の灯るおうちの中から
ガチャーーン!
思わずドアを開けて飛び込むと
黒い兎と割れたお皿達
困った顔で拾っている所でした
キッチンの上は野菜が転がったり
焦げた料理や、散らばったゴミ
何より酷いのは黒い兎の顔
野菜の葉っぱやソースでべとべと
思わず白い兎は笑ってしまいました
「あ、ごめん。謝ろうと思っ…」
言うより先に黒い兎は言いました
「ごめんね。さっきは。
僕、よく分かったよ。」
絵本。白い兎が黒い兎になった
一方的に悪いと決めつけたけど
白い兎にも良いところ
きっとあったと思う
鏡の兎だってきっと
白い兎を頼りたくなる時だってある
本当はちゃんと力を合わせたら
「ダメだよ」と「ごめん」
これで良かった
僕もおんなじだったんだ、って
思いのたけを話して
最後に黒い兎はこう言いました
「ごめんなさい。売り言葉に買い言葉でした。」
黒い兎
料理。こんなに大変なんだね
洗濯。干すには当然
洗わなくちゃいけないんだよね
嫌いな料理。食べれたら嬉しいよね
夜。そばに白い兎がいるって
幸せな事だもんね
白い兎
料理。美味しいって思う人
だから作ろうって思うんだよね
洗濯。洗った後はヘトヘトで
手伝ってくれなきゃ日がくれるよね
嫌いな料理。誰でもいきなりは嫌だよね
夜から朝まで一緒にいるんだもんね、わがままだったよね
二人は背中合わせに座って
「ごめんなさい。ありがとう」
とにっこり笑って仲直り
白い兎と黒い兎
二匹はやっぱり、いつも一緒。
その後、白い兎がすぐに
料理を作り直してご飯
お風呂を黒い兎が洗って
バスタイム
二匹で協力しあって
ありがとうと言い合って
夜寝るときはいつもより
ぎゅっとくっついて眠りました
毛布一枚でも余る位
でも、朝には白い兎が
いつもの様に独り占めしてました
こればっかりは直らないよね
黒い兎はクスクス笑いました
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