忍者ブログ

2026

0329
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012

0725
白い兎と黒い兎

二匹はいつも一緒

そんな二匹の元に今日も一冊の絵本

題名は「アマヤドリ」


村の外れに一軒の小屋がありました

いつからそこにあるのか

誰がそこに住んでいるのか

だーれも知らない、そんな小さな小屋
がありました


ある日一匹の兎がその子屋の近くにやってきました

かなり遠くから飲まず食わず

お腹はぐーぐー、喉はカラカラ

倒れこむように小屋の扉を叩きました

「どなたか。どうか助けてください」

ぎー、っと鈍い音を立てながら扉が開いて、中からお爺さんの兎が出てきました

「どうされた、おわかいの」

答えるより先にお腹が、ぐー

「お入りなさい」

小屋の中に通されてびっくり

中にあるのは小さな椅子が一つだけ

助かったと思ったのにと

諦め掛けたその時

「ほれ、これを口にするといい」

そこには1杯の水とニンジンが3本

お腹の音がもう一度鳴るより早く

口の中一杯にニンジンを

それを流し込むように水を

朝になるまであっという間でした

感謝して、この食べ物と水はどこから手に入れたのか聞いてみると

お爺さん兎が持ってきたのは小さな植木鉢と空き瓶

くれたニンジンは今朝ようやく採れたもので、水は何日もかけて雨水を飲み水に変えたものだといいます

なんだか申し訳なくなって、泣き出しそうになりました

するとお爺さん兎はその手を握り
「なーに、気にするでない。このニンジンはちゃんと役割を果たした。水もそうじゃ。たまたまそれがわしのお腹でなくお前のお腹だっただけ。」

また育つの待てばよいと、俯く肩を叩くとドアを開け、優しく手をふりお爺さん兎は見送ってくれました


またある時、別の兎がやってきました

お腹に命を宿した一匹の兎

外はひどい雪で寒さが身に堪えます

体はガタガタ、手はカチカチ

倒れこむように小屋の扉を叩きました

「どなたか。どうか助けてください」

ぎー、っと鈍い音を立てながら扉が開いて、中からお爺さんの兎が出てきました

「どうした、おわかいの」

答えるより先に体を、ぶるっ

「お入りなさい」

小屋の中に通されてびっくり

部屋には小さな椅子が一つだけ

助かったと思ったのに、と

諦め掛けたその時

「ほれ、これを使いなさい」

とそこにあったのは一枚の布

体がぶるっと震えるより早く

頭から布をかぶり

みの虫のように包まると

朝になるまであっという間でした

感謝して、この布はどうやって手に入れたのか聞いてみると

お爺さん兎が指差したのは、小さな窓の上のほう

縫い合わせた布はカーテンとして使っていたもので、何ヶ月もかけて紡いだ蚕の糸で作ったものだといいます

なんだか申し訳なくなって、泣き出しそうになりました

するとお爺さん兎はその手を握り
「なーに、気にするでない。この布はちゃんと役割を果たした。蚕だってそうじゃ。たまたまそれがわしのカーテンでなく、お前の毛布だっただけ」

蚕がまた糸を吐くまで太陽と仲良くするだけと、俯く肩を叩くとドアを開け、優しく手をふりお爺さん兎は見送ってくれました


またある時、別の兎がやってきました

何も持たず、ボロボロの兎

お腹はぐーぐー、体はボロボロ

倒れこむように小屋の扉を叩きました


「どなたか。どうか助けてください」

ぎー、っと鈍い音を立てながら扉が開いて、中からお爺さんの兎が出てきました

「どうした、おわかいの」

答えるより先に膝から、がくん

「お入りなさい」

小屋の中に通されてびっくり

部屋には小さな椅子が一つだけ

助かったと思ったのに、と

諦め掛けたその時

「ほれ、これを使いなさい」

渡されたのは一枚の布と食べ物

まぶたがぱたんと閉じるより早く

目の前の食べ物を口に

布を体に巻きつけて

朝になるまであっという間でした

感謝しようとお爺さん兎を探し、大きな声で呼んでみると

小さな椅子の上に、置き手紙が一枚ありました

使っていた布はお爺さんが着ていたもので、食べ物は何日もかけて植木鉢に
なったものだといいます

申し訳なくなって、泣き出しそうになりました

すると手紙の最後に続きがあり

「なーに、気にするでない。この家の物達はちゃんと役割を果たした。たまたまそれが、わしの為ではなく、お前の為になっただけ」

今度はお前が雨宿りすればよい、と俯く肩を抱くように、優しい言葉でお爺さん兎は遠くに見える家を眺め、一言呟きました


今日もどこかでアマヤドリ

誰かが誰かにアマヤドリ



ぱたん。


白い兎はこのお爺さん兎が、とても黒い兎に似ていると思いました

昔から誰かの為に損しても平気な顔している所や、また次を期待すればいいと自分の事を後回しにするからです

白い兎が何度も注意しても、分かったとは言うけれども繰り返してしまうので、白い兎も呆れてしまうのです

その時、誰かが二匹の家のドアを叩きました

誰だろうと開けてみると、そこには一匹の子供の兎がいました

「どうしたの?こんな時間に」

答えるより先にお腹が、ぐーぐー

「どうぞ、入りなよ」

まるでお爺さん兎と一緒です

テーブルの上には夕ご飯が並んでいてこれから食べようとしていた所でした

二匹分しかないので、どうしようかと白い兎が困っていると

黒い兎は自分のお皿を子供の兎の前に置き

「さあ、召し上がれ」

子供の兎は勢いよくお皿の料理を口に運ぶとあっという間に料理を食べ切りました

食べ終わった兎は眠そうにこっくりこっくり

自分の布団に寝かしてあげると
優しくおやすみと声をかけて部屋に戻ってきました

白い兎はあまりにそっくりなその姿に大笑い

それを見て黒い兎はどうしたの?と聞きました

「だって、まるでお話のお爺さん兎そのものだよ、真似してたのかと思う位」
白い兎がお腹を抱えてそう言うと

「なるほどね。でも、僕とお爺さん兎とは全然違うよ」
と黒い兎は言いました

それが何か分からない白い兎が、答えはなにか尋ねると、黒い兎はニコッと笑って

「僕はここを雨宿りなんてつもりはないもん、ずっとこの家で君と一緒にいるって決めてるから」

次の日に子供の兎は感謝して、迎えに来てくれたお母さん兎と帰って行きました


白い兎と黒い兎

二匹はいつも一緒


p.s

でも、夜中にどうしてもお腹の空いた黒い兎がこっそり食べ物の棚を開けて見たら

そこには白い兎の夕飯の半分が置いてあってね、こうなるとばれてたかって
、お腹の音とおんなじ位、グーの音もでない黒い兎でした





PR
Post your Comment
Name:
Title:
Font:
Mail:
URL:
Comment:
Pass: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
02 2026/03 04
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アーカイブ
P R
忍者ブログ [PR]
* Template by TMP