2012
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
今日も二匹の元に一冊の絵本
題名は「アメニナガシテ」
これは、見栄っ張りな性格のせいで
サーカス団から置いてけぼりにされてしまった
一匹のピエロ兎のお話です
目を覚ましたピエロはひとりぼっちでした
ピエロは足元のいしころを蹴飛ばして舌打ちをしました
「確か、次の村はあっちだったな」
ピエロは置いてけぼりにした皆に文句を言ってやろうと
歩いて向かうことにしたのです
派手なメイクにキラキラの衣装
彼の歩く姿は村には似合わず
とても不思議な光景でした
てくてくといしころを蹴りながら歩いていると
一匹の灰色の兎が声をかけてきました
「やあやあ、ピエロさん、どこへいくんだい?」
何の気なしに聞いた兎にピエロはこう言いました
「地味な灰かぶり、お前に話すことなんて何もない」
目の前のいしころを投げつけると、兎を追い払ってしまいました
ピエロは逃げる兎を尻目に先を急ぎました
いしころを蹴りながら更に歩いていると、今度はカラスが一匹、ピエロに近づいてきました
「やあやあ、ピエロさん、もうじき雨が降りそうだよ?」
優しく教えてあげようとしたカラスを睨みつけて
「真っ黒なお前は俺が羨ましいんだろ?気を惹きたいならもっとまともな嘘をつけ」
またいしころを投げつけて、カラスも追い払ってしまいました
カーカーとカラスは雲の先まで飛んで逃げていきました
けれど、どうでしょう
ごろごろ、ごろろん
雲が段々重たくなって
空が段々暗くなると
ざーざー、ざーざー
からすの言うとおり、雨が降り出してきたのです
このままじゃ衣装もメイクも台無しだ
困ったピエロは急いで元の村に戻って
雨宿りをしようと村の家を訪ねました
とんとん、どんどん
「おーい、雨に濡れて困ってる、雨宿りさせてもらうぞ」
扉を開けた兎はびっくり
そこにいたのは、メイクが落ちかけたせいで
おばけみたいな顔をした
奇妙な格好をした兎の形をした何か
兎は怖がって、扉を閉めてしまいました
それから何度も他の家に頼みに行くものの
どの家も顔を見た瞬間に怖くなって中には入れてくれませんでした
雨の中、ぶるぶる体を震わせて
ピエロは一軒のぼろぼろの家の前にいました
とんとん、とん
「頼む、誰かいないか?寒くて震えが止まらないんだ」
弱音を心の中にしまいこめず、疲れきった声で頼むと
中から一匹の子兎が出てきました
「おにいちゃん変な顔」
子兎はクスクス笑いました
その後ろからもう一匹現れた兎を見て
ピエロは下を向いて顔を隠してしまいました
その兎は、あの時石を投げつけた灰色の兎だったのです
兎は何も言わず、彼を家の中に招き入れました
そして暖かいスープを飲ませてくれました
ピエロは自分のしたことを素直に謝りました
「石を投げつけてすまなかった、本当にごめん」
兎は窓の外を眺めて
降り止まない雨を指差して言いました
「雨に流してしまえばいいんじゃよ、今までのあんたのしたことを全部。」
その優しさにピエロは涙をぼろぼろ流して泣きました
子兎はそれを見てくすくす笑って言いました
「ピエロさん、おうちの中なのにお外にいるみたい」
次の日の朝になり、外はすっかり良い天気
ピエロは灰色の兎に言いました
「お前の洋服とこの洋服を交換しよう、これを売ればいいお金になる」
兎は首を横に振り、断ろうとしましたが
子兎の喜ぶ顔を見て、ありがたく受け取ることにしました
灰色の兎はこれからどうするのだ?と尋ねました
ピエロはぺこっとおじぎをして
「俺のサーカスの幕を開けて来るよ」
ピエロは思いました
派手なメイクにキラキラの化粧
それに、着飾りすぎた心を
きっと雨は流してくれた
あの日、あの時、あの夜に
笑ってくれたから、俺もきっと笑えた
だから、今度は俺が笑わってあげるんだ
笑わせる為じゃ無くて、一緒に笑う為に
それからピエロはステージに戻り
沢山の兎に笑顔を届けるのです
優しい雨を降らして悲しみを流すような笑顔で
灰色の洋服に素顔のままで
ぱたん
絵本にはぼろぼろの洋服で笑うピエロの絵が描かれていました
黒い兎はおもむろに絵の具を取り出すとステージの周りにたくさんの水玉を描き出しました
白い兎が何をしているのか尋ねると
「ピエロに降る雨、降らせる雨がカラフルで綺麗な雨になるように描き足してるの」
なるほど、と白い兎はただただその絵が出来上がるのを眺めていました
やがてステージはカラフルな水玉で溢れ、光に照らされたピエロもなんだか喜んでいるように見えました
「最後に、よっと」
黒い兎はピエロの手のあたりに飴玉の絵を描きました
「これはご褒美、雨だけに?なんてね」
白い兎はくすくすっと笑うと
黒い兎の口の中に飴玉を一個放り込みました
「じゃあこれは私からのご褒美」
白い兎も口の中に飴玉を一個
二匹でにこにこ
ピエロのお話しみたいに笑い合いました
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*+:*
よんでくれて有難う☆
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「確か、次の村はあっちだったな」
ピエロは置いてけぼりにした皆に文句を言ってやろうと
歩いて向かうことにしたのです
派手なメイクにキラキラの衣装
彼の歩く姿は村には似合わず
とても不思議な光景でした
てくてくといしころを蹴りながら歩いていると
一匹の灰色の兎が声をかけてきました
「やあやあ、ピエロさん、どこへいくんだい?」
何の気なしに聞いた兎にピエロはこう言いました
「地味な灰かぶり、お前に話すことなんて何もない」
目の前のいしころを投げつけると、兎を追い払ってしまいました
ピエロは逃げる兎を尻目に先を急ぎました
いしころを蹴りながら更に歩いていると、今度はカラスが一匹、ピエロに近づいてきました
「やあやあ、ピエロさん、もうじき雨が降りそうだよ?」
優しく教えてあげようとしたカラスを睨みつけて
「真っ黒なお前は俺が羨ましいんだろ?気を惹きたいならもっとまともな嘘をつけ」
またいしころを投げつけて、カラスも追い払ってしまいました
カーカーとカラスは雲の先まで飛んで逃げていきました
けれど、どうでしょう
ごろごろ、ごろろん
雲が段々重たくなって
空が段々暗くなると
ざーざー、ざーざー
からすの言うとおり、雨が降り出してきたのです
このままじゃ衣装もメイクも台無しだ
困ったピエロは急いで元の村に戻って
雨宿りをしようと村の家を訪ねました
とんとん、どんどん
「おーい、雨に濡れて困ってる、雨宿りさせてもらうぞ」
扉を開けた兎はびっくり
そこにいたのは、メイクが落ちかけたせいで
おばけみたいな顔をした
奇妙な格好をした兎の形をした何か
兎は怖がって、扉を閉めてしまいました
それから何度も他の家に頼みに行くものの
どの家も顔を見た瞬間に怖くなって中には入れてくれませんでした
雨の中、ぶるぶる体を震わせて
ピエロは一軒のぼろぼろの家の前にいました
とんとん、とん
「頼む、誰かいないか?寒くて震えが止まらないんだ」
弱音を心の中にしまいこめず、疲れきった声で頼むと
中から一匹の子兎が出てきました
「おにいちゃん変な顔」
子兎はクスクス笑いました
その後ろからもう一匹現れた兎を見て
ピエロは下を向いて顔を隠してしまいました
その兎は、あの時石を投げつけた灰色の兎だったのです
兎は何も言わず、彼を家の中に招き入れました
そして暖かいスープを飲ませてくれました
ピエロは自分のしたことを素直に謝りました
「石を投げつけてすまなかった、本当にごめん」
兎は窓の外を眺めて
降り止まない雨を指差して言いました
「雨に流してしまえばいいんじゃよ、今までのあんたのしたことを全部。」
その優しさにピエロは涙をぼろぼろ流して泣きました
子兎はそれを見てくすくす笑って言いました
「ピエロさん、おうちの中なのにお外にいるみたい」
次の日の朝になり、外はすっかり良い天気
ピエロは灰色の兎に言いました
「お前の洋服とこの洋服を交換しよう、これを売ればいいお金になる」
兎は首を横に振り、断ろうとしましたが
子兎の喜ぶ顔を見て、ありがたく受け取ることにしました
灰色の兎はこれからどうするのだ?と尋ねました
ピエロはぺこっとおじぎをして
「俺のサーカスの幕を開けて来るよ」
ピエロは思いました
派手なメイクにキラキラの化粧
それに、着飾りすぎた心を
きっと雨は流してくれた
あの日、あの時、あの夜に
笑ってくれたから、俺もきっと笑えた
だから、今度は俺が笑わってあげるんだ
笑わせる為じゃ無くて、一緒に笑う為に
それからピエロはステージに戻り
沢山の兎に笑顔を届けるのです
優しい雨を降らして悲しみを流すような笑顔で
灰色の洋服に素顔のままで
ぱたん
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黒い兎はおもむろに絵の具を取り出すとステージの周りにたくさんの水玉を描き出しました
白い兎が何をしているのか尋ねると
「ピエロに降る雨、降らせる雨がカラフルで綺麗な雨になるように描き足してるの」
なるほど、と白い兎はただただその絵が出来上がるのを眺めていました
やがてステージはカラフルな水玉で溢れ、光に照らされたピエロもなんだか喜んでいるように見えました
「最後に、よっと」
黒い兎はピエロの手のあたりに飴玉の絵を描きました
「これはご褒美、雨だけに?なんてね」
白い兎はくすくすっと笑うと
黒い兎の口の中に飴玉を一個放り込みました
「じゃあこれは私からのご褒美」
白い兎も口の中に飴玉を一個
二匹でにこにこ
ピエロのお話しみたいに笑い合いました
白い兎と黒い兎
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よんでくれて有難う☆
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