2012
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
そんな二匹に今日も一冊の絵本
題名は「アロマーブル」
一匹の兎に訪れた、ある日のお話
ドアをトントン
開けて見たけど、誰もいません
代わりに小さなマーブル缶
珍しい入れ物の中には
ごく普通の飴玉が一粒だけ
「この飴舐めたらきっと幸せ。
一日かけてお楽しみあれ」
の説明書き
その飴玉を眺めてしばらく
やがて飴は兎の口の中
コロコロ色を変えながら
お話は進んで行きます
大事にしてた花が枯れて
寂しくなるとオレンジ色
すると、花がもう一度咲き
さらに、お家の周りが花畑に
友達が泣いて困っていたら緑色
すると、涙が笑顔に
二匹の間にケーキと紅茶
様々な事が起きて
兎はとっても幸せ
村の皆も同じく幸せ
お話の最後には
キラキラとアメダマが輝いて
沢山の星空が広がり
心の全てを満たしてくれました
そう、心を癒すアロマの様な
マーブルを舐めた兎のお話でした
今日はお祝いの日
白い兎と黒い兎
この絵本をすごくお気に入り
白い兎は言いました
「自分だけじゃなくて
皆が一緒に幸せになれる。
素敵だよね。」
黒い兎は言いました
「うん。今日は特に望むよね。
たくさんの幸せ、皆の幸せ。
だってお祝いだもんね。」
二匹は近くで松を集めて
飾りを作ったり
黒い兎が頑張って
石のストーブを作ったり
ぬくぬくしながら
一つの毛布に包まったり
ストーブの熱でミルクを温めたり
白い兎がこねたくるみ入りのパン
こんがりするまで焼いたり
そうして夜になりました
ぼーっとストーブの前の黒い兎
白い兎はお皿洗い
その時、窓の外を覗いてびっくり
黒い兎の手を引っ張って
半ば引き摺る様に外へ
外は寒い寒い冬の空
黒い兎はあんまり寒くて
布団を頭から被りました
白い兎は指差して、言いました
「見て!上!凄い星空だよ」
毛布から顔を出して
黒い兎が上を向くと
満天の星空とちらちらと降る雪
雪と星の輝きが合わさって
まるで世界にかかる魔法のよう
白い息が踊るように
それはまた、雲の様にもくもくと
空は澄んで、お月様もにっこり
半月の上に星が二つ
隣りのおじさんの笑顔みたい
白い兎が近づいて来て
毛布の中に潜り込みました
黒い兎の前にひょこっと顔を出して
「口開けて」
黒い兎が口を開けると
白い兎はその口の中に
飴玉一個ぽいっ
そして、自分の口の中にも
飴玉一個ぽいっ
二匹の口に飴玉が
放り込まれたその瞬間
空一面に大きなオーロラ
赤、青、緑、黄色
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
お祝いに起きた、魔法の様なお話
その後、二匹はお祈りしました
毛布に包まって
星空を眺めて
黒い兎と白い兎
飴玉をころがし
コロコロ、コロコロ
皆が幸せであります様に
飴玉の色は変わらなかったけれど
寒さで二人の頬が赤く染まりました
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
二匹はいつも一緒
そんな二匹に今日も一冊の絵本
題名は「アロマーブル」
一匹の兎に訪れた、ある日のお話
ドアをトントン
開けて見たけど、誰もいません
代わりに小さなマーブル缶
珍しい入れ物の中には
ごく普通の飴玉が一粒だけ
「この飴舐めたらきっと幸せ。
一日かけてお楽しみあれ」
の説明書き
その飴玉を眺めてしばらく
やがて飴は兎の口の中
コロコロ色を変えながら
お話は進んで行きます
大事にしてた花が枯れて
寂しくなるとオレンジ色
すると、花がもう一度咲き
さらに、お家の周りが花畑に
友達が泣いて困っていたら緑色
すると、涙が笑顔に
二匹の間にケーキと紅茶
様々な事が起きて
兎はとっても幸せ
村の皆も同じく幸せ
お話の最後には
キラキラとアメダマが輝いて
沢山の星空が広がり
心の全てを満たしてくれました
そう、心を癒すアロマの様な
マーブルを舐めた兎のお話でした
今日はお祝いの日
白い兎と黒い兎
この絵本をすごくお気に入り
白い兎は言いました
「自分だけじゃなくて
皆が一緒に幸せになれる。
素敵だよね。」
黒い兎は言いました
「うん。今日は特に望むよね。
たくさんの幸せ、皆の幸せ。
だってお祝いだもんね。」
二匹は近くで松を集めて
飾りを作ったり
黒い兎が頑張って
石のストーブを作ったり
ぬくぬくしながら
一つの毛布に包まったり
ストーブの熱でミルクを温めたり
白い兎がこねたくるみ入りのパン
こんがりするまで焼いたり
そうして夜になりました
ぼーっとストーブの前の黒い兎
白い兎はお皿洗い
その時、窓の外を覗いてびっくり
黒い兎の手を引っ張って
半ば引き摺る様に外へ
外は寒い寒い冬の空
黒い兎はあんまり寒くて
布団を頭から被りました
白い兎は指差して、言いました
「見て!上!凄い星空だよ」
毛布から顔を出して
黒い兎が上を向くと
満天の星空とちらちらと降る雪
雪と星の輝きが合わさって
まるで世界にかかる魔法のよう
白い息が踊るように
それはまた、雲の様にもくもくと
空は澄んで、お月様もにっこり
半月の上に星が二つ
隣りのおじさんの笑顔みたい
白い兎が近づいて来て
毛布の中に潜り込みました
黒い兎の前にひょこっと顔を出して
「口開けて」
黒い兎が口を開けると
白い兎はその口の中に
飴玉一個ぽいっ
そして、自分の口の中にも
飴玉一個ぽいっ
二匹の口に飴玉が
放り込まれたその瞬間
空一面に大きなオーロラ
赤、青、緑、黄色
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
お祝いに起きた、魔法の様なお話
その後、二匹はお祈りしました
毛布に包まって
星空を眺めて
黒い兎と白い兎
飴玉をころがし
コロコロ、コロコロ
皆が幸せであります様に
飴玉の色は変わらなかったけれど
寒さで二人の頬が赤く染まりました
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
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2012
白い兎と黒い兎。
二匹はいつも一緒。
二匹の元に今日も一冊の絵本。
題名は「ツキノアサ、タイヨウノヨル」
お空にある太陽と月。
ある日太陽は言いました。
「お前はいいな。
いっつも静かな夜だから
俺は煩いのが大嫌いなんだ」
すると月は言いました。
「ならば交換するかい?」
そうして二人は話し合い
月が満ちるその日だけ
太陽と交換する事に。
そして、ある日の夜
月はまんまる。
待ちに待った交換の日。
太陽は言いました。
「やっと、この日になった。
明日から俺が夜、お前は朝」
月は軽く会釈をして
「うん。そうなんだけど。
本当に大丈夫なの?夜はね…」
会話を遮り、
太陽はその場を去って行きました。
そして、朝になりました。
月とは知る由も無い村の兎たち。
元気にかけっこしたり、
洗濯物を干したり。
普段は酔っ払ってばかりの
おじさん兎は
元気にお仕事に励んでます。
初めてみる世界にとても満足。
その反面、太陽の事が
とても心配になりました。
そんな事を考えているうちに
夕方になり、太陽が現れました。
太陽は言いました。
「どうだ?煩くてかなわんだろ?」
月は言いました。
「そんな事はないよ。ねえ、本当に夜を過ごすの?」
太陽はムッとして
「なんだ?俺に出来ないと思ってるのか?
さては、お前は楽してるから、
それを俺には教えたくないから。
残念だったな、これでばれちまう」
月が何かを言おうとするのを
太陽は聞かないで
そうして太陽の夜が始まりました。
とても静かな夜。
太陽は鼻歌混じりで
村の様子を眺めていました。
煩い子供達はすやすやと。
洗濯物は一つもなくて
キンコンキンコン言ってた
仕事の金槌の音もしない。
お酒で楽しむおじさん兎も
やがて真っ赤なお顔で
こっくり、くーくー。
何時間経ったでしょう。
段々太陽は物足りなさを感じ
同時になんだか怖くなりました。
誰も話しかけてこない。
何も聞こえてこない。
時折風が当たると冷たくて、
なんだか1人きりになったみたい。
震える体。
でも、この位寒くて助かった。
本当の震えに気づかないで済みます。
不愉快も不自由も確かになくて。
でも、その逆もないのです。
何時間したでしょう。
怖くて震えて、涙でかぴかぴの
太陽の元に月がやってきました。
月は言いました。
「どうだった?」
太陽はくしゃくしゃの顔で
「もうまっぴらごめんだ」
誰より弱虫だと思っていた月は
何より強く、孤独を知ってました。
目を閉じていても、開いてみても
広がるのは真っ黒な世界。
それをただじっと見てるのです。
それからと言うもの
月が満ちる夜になるとたまに
太陽がそのそばに現れて
やがて、月と太陽が重なり
不思議な光景が村に広まりました。
ぱたん。
お話を読み終えて
黒い兎は言いました。
「太陽は本当に臆病モノ?」
白い兎は首を傾げて
どうかな?ってしぐさ
ふと黒い兎の頭の中で
ある思い出が重なりました。
まだ白い兎と出会う前の事。
友達の兎たちとかくれんぼ。
楽しく皆でかくれんぼしてた。
時間が経って、見つからないまま、
みんな居なくて、暗くなっちゃった。
かくれんぼしてた、ずっと待ってた。
その時の静かさを。
そして、夜になりました。
白い兎はいつも通り夕食の準備中。
そこへ黒い兎が
様子を見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
また見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
落ち着きの無い黒い兎。
白い兎はよほどお腹が空いてたんだな
そう、思って急いでご飯を作りました
部屋に戻ると黒い兎の前に
夕食を並べてあげました。
大好物のニンジンのサラダ
大根の葉っぱのスープ
じゃがいもの柊の葉っぱ包み焼き
けれど黒い兎は。
白い兎に話しかけて
なかなか料理に手をつけないのです。
昨日の天気の話
その前の遊びに行った話
近くの叔母さん兎の話
今度の森の劇の話
いつまで経っても減らない料理。
白い兎はついに怒ってしまい
「ご飯食べないなら下げるよ!」
黒い兎は首を横に振って否定しました。
よく見るとその細い腕がぶるぶる震えていて。
白い兎は気づきました。
きっと悲しくなってしまったんだと。
あの太陽の様に夜が怖くなって。
「怖くないから、耳をすませてみて?
」
黒い兎は嫌だ嫌だと
ブルブル震えながら言いました。
白い兎は黒い兎の後ろから
その体を抱きしめて、
口元に手を添えました。
「大丈夫だから。よく耳をすませてみて。」
黒い兎がじっとして、その長く垂れた耳を済ませて見ると。
じゃーじゃー
流れる川の音
ざわざわ、ざわざわ
風が葉を揺らす音
トントントン
どこかのお家で料理を作る音
沢山の音が静かに
でも重なって
そう歌の様に賑やかに
語りかける様なオーケストラ
「あなたには、それにほら?」
ドクンドクン
ドクンドクン
背中に伝う、何より生きた
白い兎の心臓の音
どんな不安も
どんな悲しみも
その音がかき消してくれる
そんな白い兎の生きている音
なんだか自分のさっきと
過去にバカバカしくなる様な
黒い兎は安堵のあまり
そんな気分になりました。
その後大急ぎでご飯を食べて
ごちそうさまをして
またいつもの黒い兎に元通り。
白い兎はそれをただクスクス笑ってました。
二匹はいつも一緒
泣き虫な二匹は
月で太陽。
p.s
その夜黒い兎は外へ出て
空を見上げたら絵本の様な
満月に、太陽が重なって
それを見て黒い兎は
「聞こえる?太陽の心臓の音
もし、1人で寂しくなったら
僕がお話ししに行くよ」
二匹はいつも一緒。
二匹の元に今日も一冊の絵本。
題名は「ツキノアサ、タイヨウノヨル」
お空にある太陽と月。
ある日太陽は言いました。
「お前はいいな。
いっつも静かな夜だから
俺は煩いのが大嫌いなんだ」
すると月は言いました。
「ならば交換するかい?」
そうして二人は話し合い
月が満ちるその日だけ
太陽と交換する事に。
そして、ある日の夜
月はまんまる。
待ちに待った交換の日。
太陽は言いました。
「やっと、この日になった。
明日から俺が夜、お前は朝」
月は軽く会釈をして
「うん。そうなんだけど。
本当に大丈夫なの?夜はね…」
会話を遮り、
太陽はその場を去って行きました。
そして、朝になりました。
月とは知る由も無い村の兎たち。
元気にかけっこしたり、
洗濯物を干したり。
普段は酔っ払ってばかりの
おじさん兎は
元気にお仕事に励んでます。
初めてみる世界にとても満足。
その反面、太陽の事が
とても心配になりました。
そんな事を考えているうちに
夕方になり、太陽が現れました。
太陽は言いました。
「どうだ?煩くてかなわんだろ?」
月は言いました。
「そんな事はないよ。ねえ、本当に夜を過ごすの?」
太陽はムッとして
「なんだ?俺に出来ないと思ってるのか?
さては、お前は楽してるから、
それを俺には教えたくないから。
残念だったな、これでばれちまう」
月が何かを言おうとするのを
太陽は聞かないで
そうして太陽の夜が始まりました。
とても静かな夜。
太陽は鼻歌混じりで
村の様子を眺めていました。
煩い子供達はすやすやと。
洗濯物は一つもなくて
キンコンキンコン言ってた
仕事の金槌の音もしない。
お酒で楽しむおじさん兎も
やがて真っ赤なお顔で
こっくり、くーくー。
何時間経ったでしょう。
段々太陽は物足りなさを感じ
同時になんだか怖くなりました。
誰も話しかけてこない。
何も聞こえてこない。
時折風が当たると冷たくて、
なんだか1人きりになったみたい。
震える体。
でも、この位寒くて助かった。
本当の震えに気づかないで済みます。
不愉快も不自由も確かになくて。
でも、その逆もないのです。
何時間したでしょう。
怖くて震えて、涙でかぴかぴの
太陽の元に月がやってきました。
月は言いました。
「どうだった?」
太陽はくしゃくしゃの顔で
「もうまっぴらごめんだ」
誰より弱虫だと思っていた月は
何より強く、孤独を知ってました。
目を閉じていても、開いてみても
広がるのは真っ黒な世界。
それをただじっと見てるのです。
それからと言うもの
月が満ちる夜になるとたまに
太陽がそのそばに現れて
やがて、月と太陽が重なり
不思議な光景が村に広まりました。
ぱたん。
お話を読み終えて
黒い兎は言いました。
「太陽は本当に臆病モノ?」
白い兎は首を傾げて
どうかな?ってしぐさ
ふと黒い兎の頭の中で
ある思い出が重なりました。
まだ白い兎と出会う前の事。
友達の兎たちとかくれんぼ。
楽しく皆でかくれんぼしてた。
時間が経って、見つからないまま、
みんな居なくて、暗くなっちゃった。
かくれんぼしてた、ずっと待ってた。
その時の静かさを。
そして、夜になりました。
白い兎はいつも通り夕食の準備中。
そこへ黒い兎が
様子を見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
また見にきてはキョロキョロ
また部屋にポテポテ
落ち着きの無い黒い兎。
白い兎はよほどお腹が空いてたんだな
そう、思って急いでご飯を作りました
部屋に戻ると黒い兎の前に
夕食を並べてあげました。
大好物のニンジンのサラダ
大根の葉っぱのスープ
じゃがいもの柊の葉っぱ包み焼き
けれど黒い兎は。
白い兎に話しかけて
なかなか料理に手をつけないのです。
昨日の天気の話
その前の遊びに行った話
近くの叔母さん兎の話
今度の森の劇の話
いつまで経っても減らない料理。
白い兎はついに怒ってしまい
「ご飯食べないなら下げるよ!」
黒い兎は首を横に振って否定しました。
よく見るとその細い腕がぶるぶる震えていて。
白い兎は気づきました。
きっと悲しくなってしまったんだと。
あの太陽の様に夜が怖くなって。
「怖くないから、耳をすませてみて?
」
黒い兎は嫌だ嫌だと
ブルブル震えながら言いました。
白い兎は黒い兎の後ろから
その体を抱きしめて、
口元に手を添えました。
「大丈夫だから。よく耳をすませてみて。」
黒い兎がじっとして、その長く垂れた耳を済ませて見ると。
じゃーじゃー
流れる川の音
ざわざわ、ざわざわ
風が葉を揺らす音
トントントン
どこかのお家で料理を作る音
沢山の音が静かに
でも重なって
そう歌の様に賑やかに
語りかける様なオーケストラ
「あなたには、それにほら?」
ドクンドクン
ドクンドクン
背中に伝う、何より生きた
白い兎の心臓の音
どんな不安も
どんな悲しみも
その音がかき消してくれる
そんな白い兎の生きている音
なんだか自分のさっきと
過去にバカバカしくなる様な
黒い兎は安堵のあまり
そんな気分になりました。
その後大急ぎでご飯を食べて
ごちそうさまをして
またいつもの黒い兎に元通り。
白い兎はそれをただクスクス笑ってました。
二匹はいつも一緒
泣き虫な二匹は
月で太陽。
p.s
その夜黒い兎は外へ出て
空を見上げたら絵本の様な
満月に、太陽が重なって
それを見て黒い兎は
「聞こえる?太陽の心臓の音
もし、1人で寂しくなったら
僕がお話ししに行くよ」
2012
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
「世界の色って何色?」
白い兎は聞きました
黒い兎の答えは「赤、青、緑に黄色、たくさんの色であふれてるから分かんないよ」
そんな二匹のもとに一冊の絵本
題名は「カメレオンワールド」
その本の中では世界がカメレオンみたいに色を変えて
その色ごとに動物たちを隠して消してしまう
そんなとっても不思議な本でした
白い兎はクレヨンの色から世界の色を見つけようとしています
「それは作り話、窓を開けたらほら」
と黒い兎は窓を開けました
外には緑の木、青い空。
茶色の土、他にも赤い実に花。
たくさんの色で溢れています
「こんなにたくさんの色がある。きっと隠されたりできないよ」
あんまり意地悪に言うもんだから
白い兎はそれを聞いて
つまんなそうに下を向き、不機嫌な顔
もうそれっきり、世界の色は聞かなくなりました
次の朝、黒い兎が目を覚ますと
いつも一緒の白い兎はいません
手紙もないし、昼になっても帰ってこない。
黒い兎は不思議に思い、外に出ると
「こっちだよー」
どこからか白い兎の声がして
黒い兎はその声の方に向かいました
「どこにいるの?」
「こっちこっち!」
声は森の先から聞こえます。
黒い兎はさっきより早足で森の先に向かいました
木の枝を潜り抜け、森の先に出ると
「ここだよ、ここ!」
と近くから声がするので
声のする方を見てみると
白く色づいた雪山に雪景色と同化して。
まるで景色の一部みたいな白い兎。
「ねぇ?カメレオンワールドみたいじゃない?」
白い兎はいたずらに言いました
「このまま私消えちゃうかもね」
白い景色に包まれた、白い兎のその姿は
まるで絵の中のよう。
白い景色の中で今、違うのは黒い体の自分だけ
ただ一点の黒い点みたい
取り残された黒い兎
自分の体はまっ黒で
どうやったって隠れたりできない
夜ですら星が照らす夜空の下じゃ
黒い景色は見当たらない
白い兎は隠されて
一人になるのは自分だけ?
そんなことを考えて、黒い兎は少しだけ。
寂しくなって下向いて
白い兎の手を握り
今にも泣きそうな顔をしました。
寝るも一緒
笑うも一緒、食べるも一緒
ずっと一緒の白い兎
もし目の前からいなくなったら
すると雪山に立つ一本の木から
雪の塊が落ちてきて、黒い兎の上に
一瞬で雪にまみれた黒い兎
体中に白い雪
まるで白い兎みたいに真っ白に
白い兎はそれを見て
「一緒だね」って
黒い兎は言いました
「うん、一緒がいい」
ずっと一緒
消えてしまうなら
それだって一緒
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
でも黒い兎はその後に
カメレオンワールドの絵本を白い兎に分からないように
どこか遠くに埋めてきたのは内緒のお話
二匹はいつも一緒
「世界の色って何色?」
白い兎は聞きました
黒い兎の答えは「赤、青、緑に黄色、たくさんの色であふれてるから分かんないよ」
そんな二匹のもとに一冊の絵本
題名は「カメレオンワールド」
その本の中では世界がカメレオンみたいに色を変えて
その色ごとに動物たちを隠して消してしまう
そんなとっても不思議な本でした
白い兎はクレヨンの色から世界の色を見つけようとしています
「それは作り話、窓を開けたらほら」
と黒い兎は窓を開けました
外には緑の木、青い空。
茶色の土、他にも赤い実に花。
たくさんの色で溢れています
「こんなにたくさんの色がある。きっと隠されたりできないよ」
あんまり意地悪に言うもんだから
白い兎はそれを聞いて
つまんなそうに下を向き、不機嫌な顔
もうそれっきり、世界の色は聞かなくなりました
次の朝、黒い兎が目を覚ますと
いつも一緒の白い兎はいません
手紙もないし、昼になっても帰ってこない。
黒い兎は不思議に思い、外に出ると
「こっちだよー」
どこからか白い兎の声がして
黒い兎はその声の方に向かいました
「どこにいるの?」
「こっちこっち!」
声は森の先から聞こえます。
黒い兎はさっきより早足で森の先に向かいました
木の枝を潜り抜け、森の先に出ると
「ここだよ、ここ!」
と近くから声がするので
声のする方を見てみると
白く色づいた雪山に雪景色と同化して。
まるで景色の一部みたいな白い兎。
「ねぇ?カメレオンワールドみたいじゃない?」
白い兎はいたずらに言いました
「このまま私消えちゃうかもね」
白い景色に包まれた、白い兎のその姿は
まるで絵の中のよう。
白い景色の中で今、違うのは黒い体の自分だけ
ただ一点の黒い点みたい
取り残された黒い兎
自分の体はまっ黒で
どうやったって隠れたりできない
夜ですら星が照らす夜空の下じゃ
黒い景色は見当たらない
白い兎は隠されて
一人になるのは自分だけ?
そんなことを考えて、黒い兎は少しだけ。
寂しくなって下向いて
白い兎の手を握り
今にも泣きそうな顔をしました。
寝るも一緒
笑うも一緒、食べるも一緒
ずっと一緒の白い兎
もし目の前からいなくなったら
すると雪山に立つ一本の木から
雪の塊が落ちてきて、黒い兎の上に
一瞬で雪にまみれた黒い兎
体中に白い雪
まるで白い兎みたいに真っ白に
白い兎はそれを見て
「一緒だね」って
黒い兎は言いました
「うん、一緒がいい」
ずっと一緒
消えてしまうなら
それだって一緒
白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒
でも黒い兎はその後に
カメレオンワールドの絵本を白い兎に分からないように
どこか遠くに埋めてきたのは内緒のお話
2012
白い兎と黒い兎。
とってもとっても仲良しで。
ご飯も一緒、遊ぶも。眠るも。
寒い冬、白い兎が病気になりました。
山を越え、河を渡った、山の先の白い花。
それが必要だと聞きました。
黒い兎は言いました「その花を取って来るよ」
白い兎は止めました「そんなの必要ないよ!」
月が輝く、暗い夜。
黒い兎はそっと旅仕度。
ふわふわ小さな白兎を撫でました。
太陽煌めく、朝が来て。
白い兎は独りきり。
太陽と月が何度も何時も昇り下り。
それでも白い兎は独りきり。
皆は言いました「もう帰って来ないよ」
白い兎は言いました「必ず帰って来るよ」
春の風が白い兎の家に懐かしい香りを運びました。
転がるように飛び出して辺りをキョロキョロ見回しました。
誰も、何もいなくて。
白い兎は初めて泣きました。寂しいよ…と泣きました。
ひからびる程に泣いた後、白い兎は旅仕度。
皆は止めました「死んでしまうよ」と。
やつれた小さな身体は頼りなく。
フラフラ、ヨロヨロ力無く。
それでも白い兎は黒い兎に会う為に。
山には狼、山にはみみずく。
弱った身体では逃げ切れません。
それでも、精一杯走りました。
ずるっ
白い兎は足を踏み外し、崖の下へと落ちてしまいました。
白い兎は激しい痛みで目を醒ましました。
一輪の小さな赤い花。目に痛い程鮮やかに。
涙が零れました。ぽろり、ひとつ、ぽろり、ふたつ。
小さな赤い花、握りしめたままの黒い兎。
仲良しだった黒い兎。
ふわふわだった漆黒の毛並みはみすぼらしくパサパサで、
逞しかった身体は白い兎よりずっと、ずぅっと小さくて。
「僕にとって、何よりの薬は君だったのに」
白い兎の為に摘んだ小さな白い花は、流れ出た黒い兎の赤い血を吸い、赤くなっ
たのです。
まだ鮮やかな花。
あとほんの少し、早く旅立っていたならば。
赤い花を口に運びました。
黒い兎の命の花。そして、また、涙。
白い兎は黒い兎をおぶり崖を登り始めます。
白い兎は言いました
「帰ろう、僕等の家へ」
帰って来た白い兎を見て皆は驚きました。
真っ黒だった瞳が、真っ赤に光り。おまけに背には黒い兎。
白い兎は言いました
「寂しくなんかないんだよ、黒い兎は僕の中にいるんだもの」
白い兎は家の真ん前に黒い兎を埋めました。
ご飯も、遊ぶも、眠るも一緒。
いつしか墓には白い花が咲き乱れました。
何度か季節が巡り、白い花に抱かれるように、白い兎は眠りにつきました。
静かな永い眠り、やっと黒い兎の元へと行けるのです。
皆は白い兎を、黒い兎の横へと埋めました。
白い兎を埋めた後、白い花が落ち、実がなり始めました。
その実は赤く、やがて熟して黒くなりました。
熟しきった実は地に落ち、赤く染めるのです。
白い兎の赤い目、やがて黒い兎の目に。
そして二人の涙に、赤い血に。
いつしか誰かがこう呼びました「ラビットアイ」と。
とってもとっても仲良しで。
ご飯も一緒、遊ぶも。眠るも。
寒い冬、白い兎が病気になりました。
山を越え、河を渡った、山の先の白い花。
それが必要だと聞きました。
黒い兎は言いました「その花を取って来るよ」
白い兎は止めました「そんなの必要ないよ!」
月が輝く、暗い夜。
黒い兎はそっと旅仕度。
ふわふわ小さな白兎を撫でました。
太陽煌めく、朝が来て。
白い兎は独りきり。
太陽と月が何度も何時も昇り下り。
それでも白い兎は独りきり。
皆は言いました「もう帰って来ないよ」
白い兎は言いました「必ず帰って来るよ」
春の風が白い兎の家に懐かしい香りを運びました。
転がるように飛び出して辺りをキョロキョロ見回しました。
誰も、何もいなくて。
白い兎は初めて泣きました。寂しいよ…と泣きました。
ひからびる程に泣いた後、白い兎は旅仕度。
皆は止めました「死んでしまうよ」と。
やつれた小さな身体は頼りなく。
フラフラ、ヨロヨロ力無く。
それでも白い兎は黒い兎に会う為に。
山には狼、山にはみみずく。
弱った身体では逃げ切れません。
それでも、精一杯走りました。
ずるっ
白い兎は足を踏み外し、崖の下へと落ちてしまいました。
白い兎は激しい痛みで目を醒ましました。
一輪の小さな赤い花。目に痛い程鮮やかに。
涙が零れました。ぽろり、ひとつ、ぽろり、ふたつ。
小さな赤い花、握りしめたままの黒い兎。
仲良しだった黒い兎。
ふわふわだった漆黒の毛並みはみすぼらしくパサパサで、
逞しかった身体は白い兎よりずっと、ずぅっと小さくて。
「僕にとって、何よりの薬は君だったのに」
白い兎の為に摘んだ小さな白い花は、流れ出た黒い兎の赤い血を吸い、赤くなっ
たのです。
まだ鮮やかな花。
あとほんの少し、早く旅立っていたならば。
赤い花を口に運びました。
黒い兎の命の花。そして、また、涙。
白い兎は黒い兎をおぶり崖を登り始めます。
白い兎は言いました
「帰ろう、僕等の家へ」
帰って来た白い兎を見て皆は驚きました。
真っ黒だった瞳が、真っ赤に光り。おまけに背には黒い兎。
白い兎は言いました
「寂しくなんかないんだよ、黒い兎は僕の中にいるんだもの」
白い兎は家の真ん前に黒い兎を埋めました。
ご飯も、遊ぶも、眠るも一緒。
いつしか墓には白い花が咲き乱れました。
何度か季節が巡り、白い花に抱かれるように、白い兎は眠りにつきました。
静かな永い眠り、やっと黒い兎の元へと行けるのです。
皆は白い兎を、黒い兎の横へと埋めました。
白い兎を埋めた後、白い花が落ち、実がなり始めました。
その実は赤く、やがて熟して黒くなりました。
熟しきった実は地に落ち、赤く染めるのです。
白い兎の赤い目、やがて黒い兎の目に。
そして二人の涙に、赤い血に。
いつしか誰かがこう呼びました「ラビットアイ」と。
2012
皆様、はじめまして
ようこそ、歓迎いたします
おはようのあなた
おやすみのあなた
え?あなたは夢の中?それは素敵
僕はみゃお、この童話の案内役
と言ってもこの案内には自信ないんだけれどね
だってこの物語
始まりこそあれど、終わりがいつか僕もまだ知らないのですから
でも大丈夫、二匹の兎がきっと教えてくれるよ
心配しないでついてきてね
それじゃあ、早速二匹の姿を見に行こう
合言葉は
「白い兎と黒い兎
二匹はいつも一緒」
いいかい?3つ数えたら下のラビットアイから読みはじめてくださいね*
それじゃあ!1.2.3!
物語、目次*
ラビットアイ
カメレオンワールド
ツキノアサ、タイヨウノヨル
アロマーブル
トミクラベ
ソラニシズム
アマヤドリ
カガミガワリ
オヨグサクラ
ママノナゾナゾ
ボロノハナ
モノクロノハナ
カゾクイロ
シアワセノジョシュ
ナゲヤリンネ
コウモリウタ
オウジノテジョウ
アヤツリー
ウソツタエ
フウセンフワリ
カナシミプライス
スナニネガイヲ
ユメミタユメ
ママノイロ
イチブンノゼロ
ココロノアジ
ニジノセイザ
スマイルトヤマイル
カミサマノイウトオリ
ウソノカタマリ
カナシイシアワセ
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おやすみのあなた
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僕はみゃお、この童話の案内役
と言ってもこの案内には自信ないんだけれどね
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始まりこそあれど、終わりがいつか僕もまだ知らないのですから
でも大丈夫、二匹の兎がきっと教えてくれるよ
心配しないでついてきてね
それじゃあ、早速二匹の姿を見に行こう
合言葉は
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二匹はいつも一緒」
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